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≪取扱作品≫
・長編『宇田川社警護部特殊警護課K班 -再試行&再生&再利用-』
・短編集『それはつめたくてあたたかいもの』

2014年03月07日

昨日の話

「昨日3月6日は弟の日だったらしい」
「ほう、そんな記念日が存在するのか」
「作中で兄弟設定があるのは僕らだけだからと、今回は僕らの出番がきたというわけだ」
「投稿用の大幅な書き換え作業によって思いきり出番が減った僕らの出番というわけか」
「……それで、お前はどう思うサクライ」
「僕らのどちらが弟だと思う、サクライ」
 そう言って、双子は同時に僕の方を向き、問いかけた。
「…………。正直、どっちでも良いです」
 オブラートに包む事などせず、僕は思った事を正直に口にしたのだが、その声は怒りで少しだけ震えていた。
 それは僕だって怒りたくもなる。こんな状況では、誰だってそうだ。
 だって今、僕は双子によって拉致され椅子に縛り付けられた状態で、こんな質問をされたのだから。
「つれない事を言うな、サクライ」
「僕らとお前の仲だろ、サクライ」
「いやいやいや! 僕ら敵対関係みたいなものじゃないですか! 何そんなフレンドリーにどうでも良い事を僕に訊くんですか!!」
 何の気なしにふと思った疑問を口にしたにしては方法がいささか乱暴すぎた。
 拉致監禁の上に拘束してまで訊くような事では、決してない。
「休憩時間の折、どちらが兄か弟かという話になった時」
「偶然にも、その近くをお前が通りすがったからだが?」
 それがさも当然であるように言う。
 この双子は自殺天使の癖に、常識というものを緋南さんに奪われでもしたのだろうか。
「……ていうか、そういうのは本人が一番知ってると思うんですが」
 さっさとこの場から脱出したくて、僕は結論を急かす。
「別にほら、僕を巻き込んで考えるほどの問題じゃないかと……」
「しかし、そこにこそ問題があったのだ」
「僕らにも、どちらかが分からないのだ」
「………………」
 あー、何かもう、泣きたくなってきた。逃げたい。
「僕じゃないのか」
「僕だと思ってた」
 しかし双子は、そんな僕には構わず相談を続ける。
「しかし喋るのはいつも僕の方が先だろう」
「それはいつもお前が先に喋り出すからだ」
「しかし真面目な話、僕らの出生については」
「時代と環境故に、不明な点が多すぎるのだ」
「特定は難しいだろうな」
「その手立てもないしな」
「おい馬鹿」
「サクライ」
 言って、双子は交互に僕を呼ぶ。
「お前は、どちらが兄でどちらが弟だと思う?」
「お前は、どちらが兄でどちらが弟に見える?」
 改めて問われたそれに、僕は一度、深いため息をついてから言う。
「本当、心の底から、どっちでも良いです」
 −−その後、二人の中で結論が出るまでの二時間、僕も巻き添えを食らった事は、言うまでもないだろう。

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……というわけで、まじでブログに書く事がないので、『しろくろ』の小話に逃げた結果がこれだよ!
昨日、弟の日ネタでちょろっと書き貯めておいたのをすっかり忘れて普通にブログ更新をしてしまったので、今日の記事で書いてしまおうというあれです←
posted by 爽川みつく at 23:48| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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